セブでビオトープ

自然の営みに和む   by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

2、30年前から日本では自然に対する関心が高まっていますが、その表われの一つにビオトープがあります。人工の池の中で大自然の営みが繰り返されます。植物性プランクトンを動物性プランクトンが食べ、それを魚やエビ、水生昆虫が捕食する。その排泄物が植物やプランクトンの養分になり、酸素を空中に放出します。この空間内で食物連鎖が行われています。企業がビルの屋上や水田を利用して造ったり、学校の池を改造したもの、家庭でスイレン鉢を利用したりと規模もレベルも様々です。我が家はセブの山の中腹にあります。あたり一面ジャングルのような環境ですが、テラスや庭にビオトープもどきを10個以上作りました。99ペソのプラスチックのたらいや植木鉢、土鍋を使ったものもあります。プラスチックでは如何にも情緒がありませんから、植物や石で素材が見えないようにし、水棲植物を植えた植木鉢や石、砂、土を配置します。グッピーとサクラエビよりも小さな淡水エビを放しておきます。空中を舞っているプランクトンの胞子や卵、植物の根や土に含まれる目には見えない微生物が繁殖しているようです。顕微鏡で覗くと彼らの姿が見えると思います。グッピーはプランクトンやエビの幼生(これもプランクトンですね)を食べて繁殖し、また水草などに隠れて命をながらえたエビの子も数を増していきます。このビオトープの食物連鎖の頂点はグッピーとエビ、水草についていた稚貝から発生したタニシのような貝ですが、野鳥やヒキガエルが闖入してくる場合もあります。水中の植物が水を浄化しますから、飲みたくなるようなキラキラした水質です。フィルターもエアレーションありません。蒸発したりして減った分の水を足すだけです。基本的には不要なのですが、たまに熱帯魚の餌を与えています。これがビオトープもどきと称する理由です。本来はあくまで小さな自然の中で動植物がその命を循環していくのです。死んだ魚はエビや動物性プランクトンが食べ、植物の養分にもなっています。周囲の環境のお陰で野鳥が集まり、餌をとり、水を飲み、水浴びもしています。サンバードがホバリングして花の蜜を吸いにきます。以前に比べて鳥の数は確実に増えています。魚やエビが卵や子を抱いている様子を観察し、数を数えるというのも楽しいものです。

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