セブ最大の祭り「シヌログ」が寂しくなる?

by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

毎年1月に行われ、国内外から数百万人が集まるセブ最大の祭りシヌログ。11月のオールセインツデーに始まり、近年流行のハロウィン、クリスマス、年越し、そしてシヌログが終わり、やっと通常の生活に戻るのがセブです。お祭り大好きのセブっ子も4月のホーリーウィークまではしばし静かな日々に戻ります。シヌログにはセブ広域圏の人口に匹敵、もしくはそれを上回る老若男女が集うのですから、その喧騒たるや想像に余りあるものがあります。パレードが練り歩くコースにあたる道路周辺は、当日早朝から車両の進入が禁止され、セキュリティー上の理由からエリア全域で携帯電話は通じなくなります。
誰もが熱狂するこの祭典ですが、今年は何かちょっと違うのではという印象を受けています。例年、1月に祭りが終わるやいなや翌年に備えて街のあちこちで青少年が先輩の指導のもとでトランペットやドラムの練習を始めます。騒々しいと言えば騒々しいのですが、日本でも昔の祭りが単なる娯楽ではなく、コミュニティーの団結やアイデンティティー、社会構成の維持継続に必須だったのとまさに同じような様相だったのです。練習しているバンドは全員男性で、おそらくシノログが始まる以前から続く地域に根ざした健全な活動だったと思われます。しかし、以前に比べるとその練習風景をあまり見かけなくなりました。また、クリスマスが終わるとすぐにメインストリートで見られるPLDTやグローブといった大企業のスポンサーによるシヌログの垂れ幕も今年はほとんどありません。この垂れ幕を見るとクリスマスが終わり1月になった実感に浸ったものですが、風物詩が一つ消えつつあるかのような寂しさを感じます。
この原稿を書いているのは1月14日。シヌログのメインイベントの市内巡行まで1週間を切っていますが、祭りを待つ街の空気が伝わってきません。例年と違い、湧き上がるような熱気とバンドが鳴らす単調なメロディが弱いのです。もっとも年中何かセールをしているショッピングモールでは、従業員が羽根飾りを頭に付けて接客し、大音響のBGMが鳴り響くシヌログの時期ならではのシヌログセールはやっています。以前も書きましたが、クリスマスも変わってきました。モールのクリスマス用品の売り場は10年前の3割にも満たない状況です。企業も個人もクリスマスやシヌログは祝うけれど、その方法が変わってきたのでしょうか? 社会や価値観がこのセブでも変化しているようです。

幼少期のキリスト「サント・ニーニョ」を祝う祭シヌログのグランド・パレード

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