伊万里焼色絵展

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伊万里市街中心に架かる相生橋。備前で焼かれた陶器の積出港が伊万里港だったために総じて伊万里焼と呼ばれるようになった
伊万里市街中心に架かる相生橋。備前で焼かれた陶器の積出港が伊万里港だったために総じて伊万里焼と呼ばれるようになった

セブの名門私大サンカルロス大学で伊万里焼の色絵のコレクションが特別展示されています。日本の文化を紹介する展示会が3月末まで開催されているとのことで、さっそく見に行ってきました。
この催しが開催されているメインキャンパスは雑踏喧騒のダウンタウンの真ん中にあります。大戦直後に伝統ある大学の灯消してはならないと、有志が血の出るような努力で瓦礫の山を撤去し再建した歴史を持つ建物です。日本でいえば文化財に指定されていてもおかしくない優雅で歴史を感じさせる建築自体も一見の価値があります。この一角に博物館? と称するビサヤ地方の考古調査で発掘された遺物や生物に関する本当にささやかな資料館があり、その前の回廊が展示会場です。
伊万里の色絵といえばヨーロッパの宮廷や富豪向けに中国製磁器のコピーから始まり日本人の風趣が加わり、さらにはドイツのマイセン窯がそれを模倣したという輝かしい歴史に彩られています。国内には旧大名家秘蔵の国宝、重文クラスが博物館、美術館に展示してあったり、ヨーロッパの宮殿を美々しく飾っているイメージですが、ここで展示されているのは主に江戸時代末から昭和末にかけての輸出用の日用品や贈答品です。
装飾用の絵皿、鉢、酒器、ティーセット、人形等々、一品ものではなく大量生産品ですですが、アイテムごとに時代や用途、文化背景などを記した説明カードがつけられています。
実はこれらは同大のベルサレス教授のプライベートコレクションです。フィリピンと日本のリサイクルショップや骨董屋を2,30年にわたり丹念に回って集めてきたものですが、セブでこれだけのコレクションが存在することは驚きです。この方の日本文化に関する執念には驚かされるものがあります。以前見せていただいた収蔵庫?にはお雛様から家庭用什器、家具など種々雑多な品々が未だ未分類のまま山積みされています。今後はこれらの整理、分類、分析をしなければというお考えをお持ちなのですが、分野が広くセブに専門家がおらず、あまりに膨大な量の前にはお手上げ状態です。
セブではなかなか文化に触れる機会がないとお嘆きの諸兄に、我々が見落としている日本文化をセブの地でしみじみと味わっていただける貴重な機会だと思います。

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