山の村で手漉き紙アート体験!

by 吉村瞭  環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」インターン

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私もサバ繊維で紙漉きに挑戦!

バギオの環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」でインターンをしている吉村瞭です。バギオ生活も5カ月が過ぎました。ここに来て衝撃的だったことは山のようにありますが、最大級だったのはベンゲット州のポキンという小さな村に住むコンニャクを使った紙布作りアーティスト、志村朝夫さんとの出会いです。志村さんの自宅兼工房では、手漉き紙、紙糸、紙布を使ったアート・ワークショップを行っていて、それに参加したことから志村さんとのお付き合いが始まりました。
志村さんの手漉き紙作りは、フィリピンの植物の繊維(主にバナナの一種であるサバの幹とパイナップルの葉)を素材にしています。その紙を細く割いて縒り、紙糸を作り、それを織ってできた布が紙布とよばれるものです。日本では昔からあった技法ですが、志村さんはこの技術を長い間フィリピンの人たちに伝えてきました(志村さんが紙布づくりを教えたアクラン州には紙布横丁という通りさえあるのです!)。気の遠くなるような手間と神経を使ってパイナップルの葉やバナナ科の植物の繊維から生まれる紙布は、とても繊細であたたかみあふれる南国の布です。でも、この美しい布にもある弱点が! それは耐水性です。そう、紙は水に弱いのです。
耐水性を付けるためにどうしても化学的なものを使いたくなかった志村さん。行きついた素材はなんとコンニャク! コンニャク芋の粉を水に溶いて紙に塗り、石灰でほんの数分煮たものを糸にし、それをさらに紙布にすることで自然の風合いをそのままに水に強い紙布ができたのです。
何にでも夢中になる志村さんのコンニャク実験は続きます。コンニャクに顔料を合わせてインクにすると、凹版の版画に適していることを発見。志村さんの工房を訪ねた人たちの顔写真をモチーフに制作したコンニャク凹版版画作品シリーズが生まれました。そして何より志村さんお手製のコンニャク入りアイスクリームは格別です。コンニャクを加えることで舌触りが滑らかになり、とろりと柔らかく口の中でとろける繊細な味わいに。
今年で67歳になる志村さんですが、その留まることない探求心に、若い世代も負けていられないという気持ちになります。
志村さんの住むポキン村まではバギオからジプニーで約2時間。幹線を離れ、細い山道を行く道中、「こんなところに日本人!?」と言いたくなりますが、たどりついた工房では、まるで絵本から飛び出てきたような風貌の志村さんが、トレードマークの紙布で作ったハンチング帽とシャイな笑顔で迎えてくれます。常に一語一語絞り出すように話し、はたちそこそこの私にも不器用ながら真摯に向き合ってくれる素敵な方です。
志村さんの工房「麻ぷれす」では、紙漉き、紙糸づくり、さまざまな紙アートのワークショップを、参加者の希望に沿ってオリジナルで企画しています(参加費用は1日一人当たり1000ペソ程度。昼食費込み、交通費除く)。ワークショップの予約やポキン村までのレンタカーの手配は、バギオのゲストハウス「TALA」でも宿泊のお客様を対象に受けつけています。お気軽にお問い合わせください。

パイナップルの葉の繊維を使った紙布。自然素材ならではの温もりがあります
パイナップルの葉の繊維を使った紙布。自然素材ならではの温もりがあります
志村さんの工房「麻ぷれす」にてコンニャク凹版版画製作。後ろにかけてある布、これがまさに紙布です!
志村さんの工房「麻ぷれす」にてコンニャク凹版版画製作。後ろにかけてある布、これがまさに紙布です!

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