フィリピンで体験する「ホーリー・ウィーク(聖週間)」

今年の「ホーリー・ウィーク(聖週間)」は4月9日(日) から始まる1週間。翌週の日曜日、16日がイースター(復活祭)で、生き返った「キリストの復活」を祝福する日です。聖週間期間中は、プロセッション(宗教行列)や道路に設けられた祭壇など、リゾートなど行った先々でも厳粛な宗教行事に出会うかもしれません。

logo1 4月9日(日) しゅろの聖日/枝の主日
Palm Sunday

この日からホーリー・ウィークが始まります。フィリピン語では「セマナ・サンタ」と言います。
枝の主日はキリストがロバに乗って弟子たちとともに 都エルサレムに入った際、群集がしゅろの枝を振り歓声を上げて迎えたという聖書の記述に基づいています。あちこちの教会の近くには露天商がヤシの葉を編んで枝に見立てた「パラスパス」を作る姿が見られます。パラスパスは悪霊を追い払う力があると信じられていて、1年置いて乾いたパラスパスを翌年の「灰の水曜日」前に教会に奉納し、それがその年の灰を作るのに使われます。

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「パラスパス」を手にする信者たち(キアポ教会前)
道路に設けられた祭壇(マカティ市内)
キリストの受難を寸劇にした「セナクロ」
十字架を背負ったキリスト像を載せた「カローサ」が町中を巡る「プロセッション(祈とう行進)」
logo2 4月13日(木) 聖木曜日(主の晩さん)
Holy Thursday 【祝日】

聖週間の中でも、キリストが弟子達と最後の夕食をした木曜日から、処刑されて遺骸が墓に安置される土曜日までの3日間は特別な日で、イースターとあわせて4連休となります。フィリピンでは、ホーリー・ウィークの木曜日と金曜日が国民の祝日と定められています。

「十字架の道行き」。イエスが処刑され、母マリアが悲しそうに遺骸を見つめている場面(アンティポロ市)

さてこの木曜日はキリストの「最後の晩さん」を記念するもので、「洗足の木曜日」とも呼ばれています。晩さんの前にキリストは12弟子の足を洗い、互いに仕え合うべきことを教えたといいます。この食事のあと、キリストはゲッセマネの園で捕えられユダヤ教指導者たちに神への冒涜の罪を着せらたと、聖書は伝えています。この夜には「ビシータ・イグレシア」と呼ばれる教会巡りが行われます。

logo3 4月14日(金) 聖金曜日(主の受難)
Good Friday 【祝日】

「聖金曜日」はキリストが、ピラト総督の前に引き出された後、十字架刑に処され墓に葬られたことを記念する日です。この日、教会ではキリストが十字架に磔(はりつけ)になった時刻の正午、キリストの十字架上の最後の7つの言葉が読まれます。教会内のキリスト像には白い布が掛けられます。キリストは午後3時頃息絶えたと伝えられています。パンパンガ州サンフェルナンド市クトゥド町ではこの日、磔(はりつけ)の儀式「マレルド」が行われます。数人の志願者が実際に掌に五寸釘を打たれ苦しみあえぐのです。炎天下の下、毎年外国人観光客も多く詰め掛けます。

パンパンガ州サンフェルナンド市で行われる磔(はりつけ)の儀式「マレルド」
logo4 4月15日(土) 聖土曜日(復活徹夜祭)
Black Saturday 【特別非勤労日】

この日の深夜、教会では「イースター・ビジル(復活徹夜祭)」がもたれます。ビジルとは徹夜、徹夜の祈りを意味していて、ここで、キリストの復活が宣言されます。また聖土曜日には、神が死んでいるので危険であるとして、刃物を使う事や旅行を避ける人たちもいます。

logo5 4月16日(日) 復活祭
Easter Sunday

いよいよイースター、つまり復活祭です。この日の夜明け前に「サルーボン(タガログ語で「会う」という意味)」と呼ばれる儀式が行われます。これは復活したキリストが母マリアと出会ったことを再現するものです。男女信者が復活したキリスト像と聖母マリア像のグループに別れて行進し、教会前で二つの像が出会い、それまでマリア像の顔を覆っていたベールがはずされて二人が再開するというものです。マニラ市のキアポ教会では毎年、入り口近くの屋根から子どもが吊り降ろされ、聖母マリア像のベールを取り払うという凝った演出がなされます。この日、信者はミサに出席、キリストの復活を祝います。

これをもって聖週間の行事が終了します。

復活祭の日の夜明け前、復活したキリストが母マリアと出会ったことを再現する儀式「サルーボン」(キアポ教会前)。男の子がマリア像のベールをとる瞬間。

 

聖週間に開催のモリオネス祭り(マリンドゥケ島)
Moriones Festival a folk-religious event held annually
during Holy Week on the island of Marinduque.
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バタンガスとケソン両州の南の海に浮かぶ丸い形をしたマリンドゥケ島。この島で毎年聖週間中に開かれるのがモリオネス祭りです。イエスが十字架の上で息を引き取った午後3時過ぎ、ローマ兵の一人がイエスの死を確かめるため槍の先でイエスの脇口を突いたら、イエスの血が槍を持った兵士ロンギヌスの目に入ったことで、もともと目に病があったロンギヌスの目が急に見えるようになったといいます。

その奇跡を祝福してローマ兵の格好をし、町をパレードするのがこのモリオネスの祭りです。カラフルな鎧(よろい)や膝当てを身に付け長槍を手にした重装備の「ローマ兵」が隊列を作って町内を回るのです。そのかぶとは、笑った顔、怒った顔、困った顔、ウインクした顔など、表情はさまざまで、かぶとの頭頂部には馬のたてがみや羽毛の飾りを垂直につけるなど凝ったものが多く、芸術品のような傑作もあります。

◎ Navi Manila Vol.31 より

 

 

 

 

 

 

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