サンボアンガレストラン

極上の魚介類とフィリピン舞踊で比の文化と歴史に触れる
文と写真by 冨田 すみれ子

文と写真by 冨田 すみれ子

店内は上品で落ち着いた雰囲気特別な日にびったりの店構えだ大人数での利用も大歓迎
お店情報 「Zamboanga」
1619 M. Adriatico St., Malate, City of Manila
☎525-8828, 521-7345/9836

マニラの喧騒の中、そこだけ違う土地であるかの様な世界観を持ち、40年以上に渡って世界中から集まる人々に、極上のフィリピン料理とショーを提供してきたレストランがある。首都圏マニラ市エルミタ地区の商業施設ロビンソン・モールの目と鼻の先にあり、フィリピンの文化と歴史を、舞踊を通して知ることができるシーフードレストラン、それがこの「サンボアンガ・レストラン」だ。
深緑色の大きな屋根と、屋根と同じ色で書かれた「Zamboanga」の文字が目印の同レストラン。フィリピン南部、ミンダナオ地方サンボアンガの料理などを楽しむことができる。色鮮やかな民族衣装に身をつつんだウェイトレスに案内されて中に入ると、入ってすぐ左手には新鮮な魚介類と美しくカットされたフルーツがディスプレイしてある。
「魚介類」と「ショー」が売りの同レストラン。噂のショーは毎晩8時からはじまり、約1時間にわたって行われる。筆者は、ショーが始まる前に到着し、フードをオーダー。今回は、ドン・ディエゴスープというレモングラスと生姜の香り豊かなザンボアンガ風トムヤムクンスープをメインディッシュに頼んだ。トムヤムクンスープといっても、東南アジア諸国でよく見るようなオレンジ色をした辛いスープではなく、どちらかというと透明に近い色合い。なんといっても蟹や貝などの魚介類が主役の、酸味のきいたスープである。グルメ取材に酔っ払っていては駄目なので、ドリンクには「サンボアンガ・アイスティー」という、カラマンシーを絞っていただく、同地方の紅茶を頼んだ。一つ一つの料理がなんといっても豪勢で、旅行の最終日や、特別な日に大人数で来て、皆でわいわい分けて食べるのに最適だ。

それぞれの時代背景を表す色とりどりの衣装も注目ポイント

夜8時、待ちに待ったショーが始まる。ギターとマンドリンの生演奏でショーは幕を開け、まずはスペイン統治時代を表現するダンス。美しい西洋風のドレスを身に付けた女性たちが歌とダンスを披露する。
フリルとレースが可愛らしい、女性たちの華やかさに圧倒されているうちに、舞台は一転、フィリピンの伝統的な民族楽器が登場。比南部ミンダナオ地方のマラナオやマギンダナオの人々の間で継承されてきた「クリンタン(kulintang)」と呼ばれる鐘の打楽器が、柔らかい鐘の音を奏でる。
ショーがクライマックスを迎えるのが、4本の竹を交差させてその上で踊るバンブーダンス「シンキル(Singkil)」。民族楽器クリンタンと同様、マラナオの人々の間で多く踊られてきた。ミンダナオ地方のイスラム教の間で語り継がれる、シンキルという王女の物語をベースにした舞踊。3拍子のリズムに乗せ、動く竹の上を軽々と踊りながら飛び跳ねる。
その早さに舌を巻いていると、舞台上の人々が私の方を見て「舞台へあがってこい」というジェスチャーをしている。困惑しているうちに、あれよあれよという間に手をひかれ舞台袖で衣装を着せられ、ステージの真ん中に連れてこられてしまった。こちらを見つめる沢山の観客の目。やるしかない。パフォーマーの指導を受けるも、動く竹が足にあたり転びそうになりながら、筆者も必死に飛び跳ねた。頑張ったご褒美として、お土産にパイナップルを丸ごともらったので良しとする。突然の出来事に困惑はしたものの、楽しい思い出となった。
なかなか首都圏では目にすることができない民族舞踊のショー。ザンボアンガ料理に舌鼓を打ち、フィリピンの歴史と文化に触れることができるこの場所。筆者の「マニラ観光おすすめスポット」にランク入りした。

ナビ・マニラ第23号[Navi Manila Vol.23]より

民族楽器クリンタンを演奏する男性 竹をテンポ良く交差させるのも至難の業
エビがぷりぷりの上海ライス 海鮮たっぷりのドンディエゴスープ
カラマンシーの酸味が効いたサンボアンガアイスティー 人々の間で語り継がれる王女シンキル
バンブーダンスシンキル傘を差しているのはマラナオの女性
舞台にあげられ必死に飛び跳ねる筆者

 

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